KEEP COOL

今回紹介するのは、ポツダム気候影響研究所が地球温暖化問題の教材としてつくったボードゲーム"KEEP COOL"です。

上に書いたかたい題目や、ドイツ連邦環境省の委託によって作られたという事実は、お母様方にはうけはよくても、ちょいワルゲーマーのみなさまからしたら、せこい教育ゲームなんでは?とマイナス材料にしかなりえないのではないかと思います。「ファミコンゲーム買ってきたよー」と親にいわれ、喜んで開けてみたら計算ゲームだったという苦い思い出もよみがえるというものです。

ただ、このゲームはそんな印象で終わらせるのはもったいない。まずはこのパッケージ。

ボードゲームは基本かっこいいけど(断言)、店頭でもちょっと目立つくらいかっこいいのがこの"KEEP COOL"。このあたりで凡百の教材ゲームのくくりにいれちゃいけないことが分かります。

さらにその教材としての内容がすさまじい。環境のために、あれをやれ、これをやれ、と理想論をたたきこむのではなく、基本「どの国も環境問題に対応したくはないのだ。」というスタンスから始まり、大国役のプレイヤーは自国の収入に影響がでない範囲で各国首脳を黙らせるために、ポーズとしてクリーンエネルギー化をすすめていったり、後進国役のプレイヤーは排出権取引的なものを交渉カードに自国を潤そうとしていくことになります。

自国のエゴをそうやって通しながらも、各国のエゴの度が過ぎれば地球環境は荒れ、どの国の経済もままならなくなるため、協力しあう--しあっているように見せる--ということも必要になっていきます。

正直、そこそこ簡単なルールをあたえられただけで、こうも製作者の意図通りに、プレイヤーがそれっぽく動き出してしまうのかと驚かされます。環境問題に右往左往させられ、エゴの衝突に悩み、あげく、喉元すぎればまたバカスカ工場をたてる。

おどろくのは、環境さえいい状態であれば、どの国だってクリーンじゃないエネルギーのコストの低い工場を作りたいんだ!というのを認めるようなルールであること。これには、本当にこのゲーム、教育するつもりがあるんだろうかと不思議になってしまいます。

ゲームとしてのおもしろさを優先させた結果なのか、実態をそのままに誠実にみせたいという態度なのか、僕にはわかりませんが、おもしろいことは間違いない!そしてかっこいい!

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